サイト『ensemble』をやっている東ライ、雨音響、サルドのブログです。
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No.212
2010/07/04 (Sun) 18:14:20
続きは書き途中の小説なので開かないようにお願いします…
あの日は酷く雨が降っていた。
研究所で扱っているポケモン達は、普段なら庭で思い思いの時間を過ごしているのだが
雨の苦手なポケモン達が研究所の中に非難したため、
普段なら午前中で終わるポケモンの世話も、今日は一日中世話しなかった。
時間が出来たのはポケモン達が寝静まった頃だった。
机に向かい、ポケモンの生態についてレポートをまとめていると、不意に電話が鳴り始める。
仕方なく作業を一旦中止して電話を取ると、画面には良く見慣れた少年の姿があった。
電話先の少年はこちらの問いに答えることはなく、俯いたままただ静かに答えた。
「……捕まえたんです、伝説のポケモン」
「フリーザーを。」
数時間後、研究所に訪れた少年は全身水浸し状態だった。
そのままでは風邪を引くだろうとタオルを用意しようとする博士を引きとめ、
少年はフリーザーの回復を優先して欲しいと頼んだ。
本来ならポケモンセンターで診てもらうところだが、
ふたごじまの付近には町がない上、こんな夜中ではおそらく活動していないだろう。
「せっかくフリーザーを捕まえたんじゃぞ、もう少し喜んだらどうじゃ?」
「……」
「なあに、ワシが見たところ傷も大したことはない。明日にはよくなっとるじゃろ。」
「…そう、ですか」
返事はするものの、レッドは依然俯いたままだった。
「…何か気がかりな事があるようじゃな。どれ、ワシでよければ相談に乗るぞ?」
「…俺は図鑑貰ったあの日から、
ポケモンの生態を調べる事がいつかポケモン達の為になるって、
そう信じて旅を続けてきました。今だってそうだと思ってます。けど…」
「…フリーザーじゃな?」
レッドは静かに頷いた。
「…あのフリーザー、俺を見たとき…酷く怯えてた。
よく見ると身体のあちこちに擦り傷とかいっぱいあって…
…たくさんのトレーナーがフリーザーを捕まえに来たんだと思う。
その時は追い払っても、『また別の誰かが自分を捕まえに来るんじゃないか』って怯えて。
だけど、いくらトレーナーが来てもその場所を離れることはなくて。
最初はすごく不思議だった。…けど、わかったんだ。
アイツはあそこで ただ静かに暮らしていたいだけなんだって。
そう思ったら、何だか俺もそのトレーナーと何も変わらなんじゃないかって、そんな気がして…」
「レッド…」
「わかってるんです、博士がポケモンの為に研究をしていること、
ちゃんとデータが集まったら野生に帰してあげてる事も。けど…っ!!」
「…レッド君。確かにワシは旅立ちの日、研究の手伝いをお前たちに頼んだ。
しかしな、何も自分の気持ちに嘘をついてまで手伝う必要はないんじゃよ。」
「博士…」
「もともと、お前達二人だけで研究の手伝いが務まるとは思っとらんよ。
こっちの事は心配せんでいい、自分のやりたい事をするんじゃ。」
「…はいっ!」
「つい最近の事のようで、あれから随分経つのう…」
不意に電話が鳴り始めたので、作業をやめ電話を取ると
画面にはレッドと同じくして図鑑を手に旅出ったグリーンの姿があった。
「じいさん、俺だけど。」
「おお、グリーンか。ナナシマには珍しいポケモンが沢山いるようじゃのう。
特にグリーンは積極的にポケモンの捕獲に励んでおるから、随分研究がはかどっておるぞ」
「まあね。そういえばレッドの奴この間あったら、捕まえたポケモンの数129匹だったんだぜ?
今じゃ優に300は超えてるってのに、何やってんだか。」
「…グリーン、人には」
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